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おっし!インドネシアも最後の街まで来ました。あと少し頑張っちゃおうかな。
ではいってみよ!
ジャカルタをあとにし、長距離バスで3時間。やってきましたここはバンドン!3日間という短い滞在にもかかわらず、結構たくさんの場所を回る予定。すこし心配になりますが、この街には、なんとも頼もしい案内人がいるので大丈夫! なんと『ruangrupa』の若手キュレータの一人、リクサことRiksa Afiatyさんがスペースを一緒に回ってくれるのです。リクサの出身地はここバンドンで、ちょうど里帰りしていたらしく、快く引き受けてくれました。本当のこと言えばインドネシアの路上飯でかなりお腹壊しているんだけど、それ以外は怖いもんなしですYo!!
リクサの案内のもと、まず向かったのは『Kineruku』というスペース。ここはライブラリー、ギャラリー、カフェ、BOOK&CDショップ、そしてビンテージショップが一体となったアートスペースです。
『Kineruku』は、2003年にファウンダーのAriani Darmawanさんがオープン。大学で建築を学んでいたArianiさんは、バンドンの若者たちに沢山の本を読んでもらいたいという想いのもと自身の400冊の本からライブラリーをスタート。それから徐々に本を増やしていき、現在はなんと5000冊以上の本が並びます。オープンの次の年からはDVDを借りれる棚もつくり、その頃からフィルムスクリーニングやトークイベントなども行うように。
本やCDがずらり。販売もしています。
2008年ぐらいからはミュージックライブも行うようになり、バンドンの多くの若者たちが『Kineruku』の存在を知るようになります。2012年に は自宅をリフォームしアンティークショップをオープン。本と音楽とカフェ、そしてアンティーク。そんなお洒落なスペース、どの国の若者たちも大好きにき まっていますよね。訪れた時も沢山の若者が本を片手にお茶を飲んだり趣味の良いセレクトCDやアンティーク商品を物色したりしていました。
こちら中庭にあるギャラリー
アンティークを販売するスペース
足を踏み入れた瞬間からどこかに似ているなーと感じていましたが、すぐに「こりゃ高校のころの下北沢だわ」とビビッときました。高校生の頃、つまりは90 年代のはじめ、よく放課後になると下北沢で暇を持て余していたのですが、ここはその時見ていた風景が凝縮した感じ。他のインドネシアのアートスペースの雰 囲気とは、またガラリと変わったアーバンな空間なのでした。ただ、その根本にあるは「若者たちにたくさんの本を読んでもらいたい」という素朴な気持ちであって、日本のように“商売、商売”まったくしてません。ここ『Kineruku』には静かで優しい時間が流れてるのでした。(下北も昔はそうだったのだけどね)
オーナーのAriani Darmawanさん(右)とBudi Warsitoさん(左)。
インドネシアに90年代のシモキタを見た
Kineruku
https://www.facebook.com/pages/Kineruku/237551133022041?fref=ts
さてさて、リクサ隊長に引き連れられ、次にいくよん。
タクシーに乗って山を登り到着しました『PLATFORM3』。
お話を聞かせてくれたのは、以前3331のレジデンスに参加し、Ongoingにも遊びに来てくれたことのあるWiyoga Muhardantoさん。『PLATFORM3』は2009年に3人のアーティストと3人のキュレータによって設立されました。ギャラリー、スタジオ、 レジデンススペースが一体になっています。年間で4回ぐらいの企画展を開催。展示の前には必ずディスカッションイベントを行い、他にもスクリーニングやミニライブなども行っています。週一でメンバー全員が集まりミーティングを行い企画を考えているそうです。
こちらギャラリースペースです。
この日はレジデンス作家の展示のオープニング。お客さんにアーティストの紹介をするWiyoga(右)
レジデンス作家たちは通常1ヶ月の滞在とその最後に展示を行うのだそうです。運営はメンバー全員がお金を出し合ってまわしているとのこと。Wiyoga自 身もインドネシアだけでなく世界中で作品を発表していて、作品の売り上げだけで食べていっているフルタイムアーティスト。『PLATFORM3』を続ける ことで様々な新しい出会いがあったり、またディスカッションイベントを行うことで知識が共有され新しい刺激になるのだそう。いつかは 『PLATFORM3』の活動で、経済的な基盤を作れたらと話していました。
バンドンを拠点として屋内外の様々な場所で映像上映のイベントを展開している『Sunday’s Screening』のYopie Nugrahaさん(右)と、Rangga Aditiawanさん(左)も会場に来ていました。少しお話をお伺いましたが彼らの活動も完全にインディペンデントでおもろそうでした~
そして『PLATFORM3』のみなさんです
山の中で日々実験しています
PLATFORM3
http://platform3bdg.org/
https://www.facebook.com/platform3bandung/?fref=ts
山の中で日々実験しています
夕暮れ時になりましたが、あともう一箇所! 到着したのは『Galeri Gerilya』。
お話を聞かせてくれたのは、スタッフのDian ArumningtyasさんとアーティストのPatriot Mukminさん。
こちらは5人のファウンダーによって2011年に活動をはじめたアーティストランスペース。35歳以下の表現者にを対象としていて、一般の人々に向けて誰もが広く自身の作品を見せれる場所というコンセプトのもと運営をされているそうです。現在は20人のボランティアスタッフでスペースを回していて、週一回 の定例ミーティングを行い、そこで上がったきたアイデアをファウンダーを交えて相談しながら企画を考えているそうです。
鏡張りのギャラリー
この日は学生の写真のグループ展がやっていました。
外には学生がいっぱい。
実際に展示する人は学生が大半だそうで、展示の際にはプレゼンテーションを行い、またディスカッションや音楽イベントなんかをやることもあるそう。海外との交換レジデンスプログラムも行っており、招聘したレジデンス作家と集まった学生がコラボレーションを行うプロジェクトなんてのもあるみたい。スタッフも 皆若い感じで、展示する側も運営する側もこの場を通して成長していける、そんな感じを受けました。
スタッフの皆さん(お話を聞かせてくれたPatriot Mukminさんは一番左、Dian Arumningtyasさんは右から2番目)
鏡張りのギャラリーではじめての展示
Ruang Gerilya
https://www.facebook.com/ruanggerilya/
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Kineruku
Jl. Hegarmanah 52, Bandung
設立年: 2003
アクティビティ: ギャラリー、ライブラリー、カフェ、ショップ、ライブ、パフォーマンス
日本の下北沢に来たかのような、おしゃれ総合アートショップ -
PLATFORM3
Jl. Cigadung Raya Tengah No. 40, Bandung
設立年: 2009
アクティビティ: ギャラリー、ワークショップ、レジデンス、トーク
山の中にあるアーティストランのギャラリー+レジデンス -
Galeri Gerilya
Jalan Raden Patah No 12, Bandung
設立年: 2011
アクティビティ: ギャラリー、レジデンス、ワークショップ、ライブ
アーティストでなくても誰もが広く自身の作品を発表できる場