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現われる像たち 2016年2月25日 (50)LYLA GALLERY、(51)Documentary Arts Asia、(52)UNG

今日もヨドぱいせんと一緒にチェンマイのアートスペースを怒涛のリサーチ。

ではいってみよ!

まず訪れたのは『LYLA GALLERY』。ファウンダーのLyla Phimanratさんにお話をうかがいました。

ホテルに隣接した倉庫の2階にあります。

Lylaさんはバンコクのギャラリーで数年働き、2015年にこの場所をオープン。ホテルのストレージを改造した空間では、年間6回ほどの企画展を開催。 通常展示に合わせ、パフォーマンスナイトやミュージックライブなど、他のジャンルとのコラボレーションイベントも多数開催しています。

広い展示スペース

アートフェアーにも積極的に参加し、タイの作家と海外とのネットワーク作りにも力を入れています。チェンマイではコンテンポラリーアートのマーケットはまだまだ大きくなく、そうした状況を少しずつであれ着実に変えていく、そのための努力をされている感じがつたわってきました。

こちらLylaさん。華がありますね。

チェンマイを華やかに彩ります
『Lyla Gallery』
http://lylagallery.com/
https://www.facebook.com/lylagallery/?ref=ts&fref=ts

さて本日もどんどんまわって行きますよ。ヨド原チャリwithニケツでお次にやってきたのは『Documentary Arts Asia』。
畑のような野外空間で大型の写真があちこちに展示されています。

奥の建物に入ると優しそうな男性が話しかけてくれました。彼がこの場所のファウンダーで写真家兼キュレータのRyan Libreさん。

日本語も時々混じります

Ryanさんはカリフォルニア出身でタイに移り住むまでは北海道でくらしていたこともあるそうで日本語も少し話されます。8年前から写真や映像にまつわる ワークショップやフェスティバルを主催するNGOを立ち上げ、チェンマイを舞台に様々な取り組みを行っています。こちらの場所は2012年にオープン。 ギャラリー、ライブラリー、ワークショップ、スクリーニング、レジデンスなどの機能があり、年間でなんと200ものイベントを行っているとのこと。スクリーニングやトークなどのレギュラーイベントの他にも写真や映像のフェスティバルなど、ほぼ毎日のようになにかが起こっている感じです。さぞかし大きな組 織なのかと思い尋ねてみたところ、スタッフはすべてボランティアで回しているそう。まじか~、すごいですね。3ヶ月周期でNGOスタッフとしてボランティアを募集し、世界各国から学生を中心として、毎回20人以上が集まってくるそう。

訪れた時は写真展が開催されていました。

ギャラリーやフェスティバルなどでは、アジアの写真家を中心にドキュメンタリー写真や映像にフォーカスを当てた作品を紹介しています。運営は基本的に NGOへのドネーションで回しているといい、またこの場所もオーナーの理解をへて無償で借りているとのこと。タイの他にミャンマーにもこうした場所を構えているそうで、なんとも規模が大っきいですね~。

Ryanさんです。NGOのボスでもあります。

写真と映像でアジアの今を切り出す
Documentary Arts Asia

Home


https://www.facebook.com/DocumentaryArtsAsia/?fref=ts

おっち、続いてやってきたのは『UNG』。こちらはフィルム現像所、暗室、ギャラリー、カフェ、フィルムショップが併設したスペース。お話を聞かせてくれたのはファウンダーの一人、Ungsumalin Yodkumpaさん。

スペース名は彼女の名前からとっているのですね。

『UNG』は2013年にUngsumalinさんともう一人のファウンダーであるNathamon Kithanesさんが共同でオープン。二人とも大学ではコミニケーションアートを学び、その後バンコクでフィルムに関する勉強をしたのだそう。デジカメ全盛のこの時代、フィルム現像や手焼きをしてくれる場所がチェンマイにはほとんどなくここを始めたのだそう。

こちら現像ブースです

『UNG』をオープンすると、物珍しさか学生を中心として多くの人たちがこの場所を訪れ、それがきっかけてフィルムで写真を撮る人たちが増えていったのだ そうです。現在は地元の若者やツーリストなど、かなりの人たちがこの場所を利用しフィルムの写真に親しんでいます。ギャラリーでは写真展をメインとしてメディアアートなどの展示も開催するそう。

ひろく立派なギャラリー

カフェブースもあります。

こちらカメラ用品の展示

現像代、暗室や展示スペースのレンタルフィー、そしてコーヒーの売り上げでスペースを運営しているそう。お話を聞いている間もフィルム現像にやってくる人 がたくさん訪れていました。デジタルの時代だからこそアナログの魅力が再評価されているのですね。日本でもこれやったら流行るんじゃないかなぁ。

Ungsumalinさん(左)とNathamonさん(右)。まだ20代半ばのめちゃ若オーナー。

フィルム現像してる間にアート鑑賞も悪くない
※ Ung Shop Gallery Filmは2016年にクローズしました。

おっちおっち、本日最後の目的地へ。そしてここでチェンマイのスペース巡りもおしまいです。やってきたのはアーティストのThasnai Sethasereeさんのアトリエ。Thasnaiさんはチェンマイ大学で教鞭もたられていて、ヨドやSOMの先生でもあったかた。タイでアートに関わる人で彼を知らない人はいない、結構な変人のアーティストのようです。

Thasnaiさん。オーラ半端ないです

オルタナティブアートスペースをリサーチして回っていると話すと、「オルタナティブアートスペースなんてこの国にはない」と、いきなり言われてしまいました。「あるのは2流のコマーシャルになりきれないスペースだけであって、彼らはどう生き残るかということしか考えていない。オルタナティブとはなにか、何に対してのオルタナティブなのかという哲学を持たないスペースは、オルタナティブスペーではないんだ」とめっちゃ辛辣かつ、貴重なご意見をいただきまし た。すごく形而上学的なお話でしたけど刺激的だったなあ。ヨドが最後にここに連れてきたのもきっと偶然ではないのでしょう。オルタナティブとはなにか、この旅でもう少し掘り下げてみたいと思います。ありがとうございます!

ご自身の作品です

立体作品も

おっし、本日はこれでスペース巡りはおしまい!今日もたくさん回ったね。そして夜はOngoingな皆さんと合流して夕飯タイム。

最後の晩餐です

明日はOngoingチームの帰国の日。その前にヨドとは何者なのか、その正体を探るべく彼の作品をプレゼンしてもらいました。いやー、ヨドぱいせん、やっぱ只者ではなかった。ヨド東京に来る日も近いかも。お世話になりました、そしてこれからもよろしく。

ヨド(地主さんと小山君の間)のプレゼンに感動する面々。アーノントも来てくれたよ。

みんなまた日本で会おうね~

おっちおっちおっち、次の目的地はタイの首都、バンコクです。

  • LYLA GALLERY

    2nd Floor, 234 Tha Phae Road, Chang Moi, Muang, Chiang Mai
    設立年: 2015
    アクティビティ: ギャラリー、トーク
    チェンマイには珍しいコンテンポラリーアートを扱うコマーシャルギャラリー

  • Documentary Arts Asia

    Khai Muk Soi 4, off HangDong rd, Chiang Mai
    設立年: 2012
    アクティビティ: ギャラリー、レジデンス、ライブラリー、スクリーニング、ワークショップ、トーク、ライブ、アートプロジェクトの企画運営
    年間200以上のイベントを開催する、ドキュメンタリー写真や映画に特化したスペース。

  • UNG

    Chiang Mai
    設立年: 2013
    アクティビティ:ギャラリー、ショップ、カフェ
    フィルム現像所を併設したアートスペース