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老舗とテクノと新人の家 2016年2月3日 (21)Cemeti Art House、(22)LIFEPATCH、(23)Ace House Collective

毎日いろいろまわり疲れ果てそして寝るを繰り返していたらあっという間に1週間が経ってしまっていました。ごめんちゃい。今日からまた頑張る所存です。つうかまだジョグジャか、、、

ではいってみよ!

本日は、気合い入れて3箇所まわるよん。まずは老舗アートスペース『Cemeti Art House』から。ここは数あるジョグジャカルタのアートスペースでも最も古くから活動を続けるスペースで1988年にアーティストのNindityo AdipurnomoとMella Jaarsmaの二人が設立。

お話しを聞かせてくれたのはファウンダーのNindityoさん。インドネシアの誰もが知るめちゃ有名なアーティストです。

当時は、ジョグジャにはコンテンポラリーアートを扱うギャラリーやスペースなどは全くなかったそうですが、インドネシアの若いアーティストたちが発表でき る場所の必要性を感じてスペースをオープン。若手作家の個展に加え、批評家や文学者などを招いてトークイベントや音楽ライブなども積極的に行い、また当時 はまだ珍しかったアーカイブという概念にも力を入れながら活動を続けていきました。運営は自らの作品を売ったりしながらなんとかやりくりして、だんだんと その存在が知られ、海外からのミュージシャンやNGOスタッフなども多く出入りしていくようになったそうです。1999年に現在の場所に移動。ギャラリー、小作品の購入できるショップを併設しています。

ギャラリー、めちゃでかい!

廊下、めちゃ長い!

ショップ、めちゃ品揃いたくさん!

入り口、めちゃさわやか!

2006年からはレジデンスプログラムも開始。3組の作家が滞在できるようになっています。現在は長きにわたる活動が認められ助成金やスポンサーなどで運営しているそうです。素晴らしいですね。
これまではNindityoさんがディレクターとしてやってきましたが、今年から新しいディレクターにスペース運営を任せて世代交代を考えてい るそうです。今後はローカルアーティストをより多くフューチャーする場所に変えていきたいと話されていました。しかし約30年ぐらい続くオルタナティブアートスペースだなんて、脱帽でっす!!

Nindityoさんとプロジェクトマネージャーの新らしいスタッフのかた。

変わりつづけるジョグジャの老舗アーティストランスペース
Cemeti Art House
http://www.cemetiarthouse.com
https://www.facebook.com/Cemeti-Art-House-304540196353021/?fref=ts

What’s next? つぎは『LIFEPATCH』というグループのスタジオにお邪魔します。
スタジオの外観

『LIFEPATCH』は自分たちを”citizen initiative in art, science and technology”と名乗っていて、日本語に訳すと「アート・科学・技術の市民集団」(でいいのかな)。現在は11人のメンバーがいるそうなのです が、そのなかでアーティストはたった2人。あとはデザイナー、農業関係者、科学者、大学教授、ミュージシャン、プログラマー、建築家、パフォーマー、キュレータなどなど。みながそれぞれ違うバックグラウンドをもった集団なのです。

こりゃ研究室だね

お話を聞かせてくれたのはアデことAdhari Donoraさん。

2012年に9人のメンバーで活動を開始、プロジェクトによって参加メンバーを変えたり、また他のグループとのコラボレーションなども積極的に行っていま す。彼らの特徴を挙げるとすれば、バイオアートやメディアアートなどテクノロジーをもちいた活動を行っていること。地域でのプロジェクトも積極的に行って いて、時には社会運動とも連携したりもするそう。例えば、川の水質を定点観測で調べ、そのデーターをもとに周辺地域に暮らす人たちと一緒に作品をつくって いくなど、単に最新の技術をもちいて作品を作るメディアアート集団とは一味違うのです。エディケーションプログラムにも力を入れていて、自分でプログラミングのできるアプリケーションを作ったり、それを使って子供から大人まで参加できるワークショップを開催したりもしています。

開発したワークショップ用のアプリケーションの説明をするアデ

微生物の培養もしているみたい

そのほかにも、イースト菌を作ったり、ワインを作ったり。メディアアートって”インタラクティブ”とか”ネットワーク”といった型にはまってしまいがちで すが、彼らはテクノロジーを用いて既存の様々な枠を超えていこうとする、そんな野心的な集団のように思えました。おもしろい!!

アート思考のサイエンティスト集団
Lifepatch
http://lifepatch.org/
https://www.facebook.com/lifepatch/

おーっし、Next!! 本日最後の目的地へ。もう日も暮れていましたが、メンバーがたくさん集まってくれています。

ここは『Ace House Collective』。ジョグジャの初日にもちらりとおじゃました若手アーティストのコレクティブ。1980年代以降に生まれた作家たちだけで2011年に結成された、今、ジョグジャでも最も勢いのあるグループの一つ。

彼らは、いわゆるコンテンポラリーアートというよりも、もっと新しい表現の可能性を求めているみたい。具体的にはグラフィティーなどのストリート系カルチャーや、DJなどの音楽シーン、また漫画家なんかとも組んで活動していたりもします。Tシャツやキャップなども自分たちのブランドから販売。また有名なサーフィンブランドをスポンサーにした展覧会を開催するなど、次の世代感がプンプンします。

もちろんコンテンポラリーアートの文脈でも強い存在感を放っていて、ジャカルタビエンナーレに何度も招待されるなど、目立ちまくってます。若さって素晴らしいですね。スペースは大小二つのギャラリーと小作品やグッズを販売するショップ、そしてレジデンスも併設。おらが訪れた時も台湾からグラフィティーの作家が滞在して展示をしていました。

大小2つのギャラリー

レジデンスできていた台湾のアーティストのグラフィティー

展示に関連したトークや音楽イベントなんかも開催していてオープニングにはジョグジャの若手作家たちがわんさか集まってきて熱気が半端ない。でも悪い感じ はそんなにしなくって、アートをより一般に広めていくための方法を、彼らの世代で編み出し、自分たちの方法で発信している、そんな印象を受けました。本当の意味で真面目ともいえます。

最後は若者たちとご一緒に

ジョグジャの近未来を背負うコレクティブ
Ace House Collective
http://acehousecollectiveyk.com/
https://www.facebook.com/acehousecollective/?fref=ts

  • Cemeti Art House

    Jl.D.I. Panjaitan No.41 , Yogyakarta
    設立年: 1988
    アクティビティ: ギャラリー、レジデンス、ショップ、ワークショップ、トーク、ライブ等
    ジョグジャカルタ最古のアーティストランスペース

  • LIFEPATCH

    Jl. Bugisan Selatan, Gumuk Indah RT13 RW36, Yogyakarta
    設立年: 2012
    アクティビティ:ワークショップ、アートプロジェクトの企画運営
    東南アジアをリードするアート思考のサイエンティスト集団

  • Ace House Collective

    jl. Mangkuyudan No.41, Mantrijeron, Kota Yogyakarta,
    設立年: 2011
    アクティビティ: ギャラリー、レジデンス、ショップ
    ストリート系を武器にジョグジャの近未来を背負うコレクティブ