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さて本日は遠出でっつ。夜行バスに乗ってバギオという山の中の街へ向かいます。帰りも夜行バスだから1泊3日の旅。ハードだけど少し休んだからがんばるまーん。
そいではいってみよ!!
んで、夜行バス。バギオに行くと話すとあらゆる人からマジで冷房がきついから気をつけてと言われ続けてきましたが、本当に凍死しそうになったとさ。フィリピンの方々、冷房がたいそうお好きなようで、タクシーとか、モール(フィリピン中にある巨大ショッピングセンター)とか、とにかく冷房がガンガン。マジで 意味がわかりません。これを寒いと感じるのは極東の島国からきたおらだけなのかと、バスの中で周りを見渡してみましたが、みんなブランケットかぶってブ ルッブルにふるえていました。運ちゃんちょっとは調節してくれよん。なぁーんてナマ言えないから、冷え切った体で朝の5時ぐらいにバギオに到着。ようやく冷房地獄から解放されたと思いきや、バギオもサミー。フィリピンでも山の方は寒いのね。
とりあえず宿へとむかい、一眠りしてからバギオ巡りを開始します!!
案内をしてくれるのは地元美大を出たばかり、現地NGOスタッフのMicah Hilotin。よろしくお願いしゃっす!まずはMichaの彫金の師匠でもあり、地元作家のBumbo Villanuevaさんのアトリエ兼ギャラリーへ。
Bumbo Villanuevaさん。目が優しすぎる。
制作中の作品
めちゃ優しい笑顔でご自身の作品の説明とバギオの歴史についていろいろとお話ししてくれました。Bumboさんのお父さんも彫刻家で、現役時代は学校で美術を長年にわたり教えていたこともあったそう。親子揃って彫刻家、そして共にめちゃくちゃ優しい。
お父さんともぱちり
お次は、Bumboさんのアトリエの目の前にある『TAM-AWAN VILLAGE』へ。ここは
数の地元アーティストが運営している、ギャラリーやらカフェやらがある、うーん観光スポットですなぁ。入り口の壁にはグラフィティーが。
観光地っぽいからサラリとね。
さてどんどん行きましょう。今度はジプニーに乗ってさらに山奥へと向かいます。到着したのはBenCab Museum。フィリピンでは”ナショナルアーティスト”という1972年から始まった制度があり、フィリピン芸術界に際立った貢献をした芸術家に国から 与えられる最高の栄誉でそう。普通は亡くなった作家に与えられるそうなのですが、BenCabは歴代初、まだ現役作家で選ばれた国民誰もが知るビッグアーティストなのです。
とりあえず入り口の壁にグラフィティーがまたあったから撮っとくかね。
でね、中に入ると、なんとBenCabご本人が!!!まだ作品も見てないけど、とりあえず一緒にパチリ。
多分すげー(のかな?)。でもめちゃめちゃ忙しい方のようで、会えたのはこの一瞬だけ。15秒くらいかな、すぐにお出かけになられました。この美術館、ご 本人の作品もたくさんありましたが、それと同じぐらい新旧のアートコレクションずらり。発掘されたような美術品から現代作家の作品まで。大先生、相当なお金持ちっぽいっす。美術館の隣には巨大なご自宅もあって、さすがナショナル。
ヤバめの作品たち
奥多摩秘宝館行き
こちらはバギオ案内人のMichaちゃん。BenCab美術館併設のバブリーな庭池にて。終始ケラケラ笑っていましたが、とっても頼れるバギオ女子。
はい次いきましょ。街に戻り「ここがバギオで一番のオルタナティブなスペースなんじゃないかなぁ」といってMichaが連れてきてくれたのは 『VOCAS』という2004設立のアートスペース。オーナーはフィルムメーカーで、”Baguio Arts Guild”という伝説のアーティスト集団のファウンダーでもあったKidlat Tahimikという方(ちなみにBenCabもファウンダーの一人だそう)。ベルリン国際映画祭をはじめ多くの受賞歴があり、昨年は東京国際映画祭にも 招待されるなど世界的にも超有名な映像作家です。この日は残念ながらご本人には会えませんでしたが『VOCAS』をゆっくり見学。ギャラリーを併設したレストランでは、展示のほか音楽ライブ、パフォーマンス、ダンス、映像上映など様々なアートを紹介していて、バギオでは知らない人のいないオルタナティブアートスペースです。
ビルの最上階にあるとはとても思えない大きな敷地にはたくさんの植物が生い茂り、窓からの眺めも最高。ここで今回のバギオのリサーチをいろいろと手配してくれたFara Manuelにも合流。Faraはバギオの美大で教鞭もとる地元アーティスト。お腹には赤ちゃんがいて、今回のアテンドは彼女が教える美大を最近卒業したばかりのMichaが引き受けてくれたというわけ。
みんなで一緒に食事をして、パチリ。
さらに移動して、次は犬の料理を出すレストラン兼ギャラリースペース『KATIPUNAN』へ
犬だよ犬!!
このお店がある路地は犬料理のお店が並んでいて、犬を食べるなんて昔の話なのかと思っていましたが、後からマークに聞いたら今でも頼めば普通に出してくれるそうです。まじかぁー。。
壁には現代作家の作品。店内の椅子には歴代のロックスターが歌った犬の登場する歌詞が!! ロック少年(元)の血がさわぐぜ。
でも犬の肉と現代アートって、、、なんかあるのかなぁ、、、わかりやせん。
さてさて、つうわけで、初日はものすごい量のスペースを回って、しかもあんま寝てないし帰って明日に備えますかね。
って、まだまだです。バギオの夜はこれからということで、マニラの作家たちにバギオに行ったら絶対会ったらいいと薦めてくれていたKAWAYAN DE GUIAという作家のアトリエに急遽お邪魔することに。夜の山道を車で30分ぐらい走り到着。KAWAYANすでにバリバリ出来上がっていましたが、とっ てもいいやつ。1979年生まれつうことで、同世代、そして作品がめちゃくちゃ良かった。フィリピンでこれまで見た中でもダントツでいけてました。アトリ エは大量の画集やレコード、それから謎のモチーフでいっぱい。2階ではレジデンスを始める準備もして、これぞ今のアーティストといった感じ。きっとこれから世界に出ていくのだろうなぁ~。つうかもう有名なのかもしれませんね。
一階のアトリエにはアーティストたちが沢山きていました。おらの後ろでできあがっているのがKAWAYANです。
いけてるアトリエ。
2階のレジデンススペース。
彼、見た目は完全にヨーロッパ人で、きけばバギオの映像作家とドイツ人とのハーフとのこと。えっ!? もしかしてその映像作家の父というのは、、、そんです(by shimuken)、KAWAYANのお父さん、なんとあのKidlat Tahimikなんだと!!! 驚きというか、やっぱ芸術家の子は芸術家なのか。つうことでお父さんにメールをしてくれて、急遽明日ご本人にお会いできることに。いろいろ繋がるのう~。 やるやん、カワイヤン!
最後はご一緒に。「ピノキオー」と叫んでいましたが、完全にいっちゃってますね、、、
次の日、待ち合わせ場所は『VOCAS』からほど近い『Ili-likha Artist Village』。いろんなお店の入ったオシャレカフェかと思っていましたがこちらもKidlatさんのお店なんだと。
実は初日にもちらっと寄っていました。入り口にて。
そして、ご当人、オラ達が着いた時にはすでにいらっしゃっていました。こちらKidlat Tahimikさん。仙人のようなお方。息子と全然似てね~
この場所は2008年の暮れにオープンした場所で、Artist Villageと名付けられている通り、様々なアーティストが自分のお店をオープンんできるよう日々スペースを拡張しているとのこと。最終的には20ぐら いのスペースが入る予定だそうで、全てアーティストが運営するのだそう。なんだか壮大ですね。空間はすべてKidlatさんのイメージのもと、腕利きの大 工さんが手がけています。結構無茶なお願いでも長年の勘や技術を駆使して作り上げていく感じは、建築物というよりでっかいアートワーク。材料も Kidlatさんが日々の生活で出会った木材や廃棄物などを存分に使っていて、なんかよくよく見るとスッゲーイレギュラーで、日本では建築基準法なんチャ ラとかで決してゆるされない感じの建物。完成はいつになるかわからないと笑いながらお話しされていましたが、バギオ版のサクラダファミリアといった感じでしょうか、いやハウルの動く城かな。Kidolatさん、めちゃいい人で、”Baguio Arts Guild”、『VOCAS』そして『Ili-likha Artist Village』についてニコニコ嬉しそうにお話ししてくれました。
現代進行形で建設中のお店を解説付きでツアー。
太鼓のアーティストたちが敷地内でセッションをしていたり、いい感じですなあ~
ここを訪れるみんながKidolatさんを尊敬しているようで会う人会う人から挨拶されていました。地元のアーティストを応援するため、彼らが自活できる ような場を提供し続けるなんて、なかなか常人では辿り着けない境地です。しかも単なる金持ちなんかでは全然なく、70歳をとっくに過ぎて、まだ現役バリバ リのフィルムメーカーだなんて。カッコイイとかの次元を超えていますね。やっぱ仙人だな。バギオのアートシーンはこの偉大なる父から、才能溢れる子へと着実に受け継がれていくのでしょうね。なんかいいなぁ~
山間の街バギオにいくなら仙人の築いた『VOCAS』そして『Ili-likha Artist Village』に足を踏み入れましょう
VOCAS
https://www.facebook.com/pages/Oh-My-GulayVOCAS-Baguio-City/122223281243167?fref=ts
Ili-likha Artist Village
https://www.facebook.com/pages/Ililikha-Artist-Village/1415457855370717?fref=ts
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VOCAS
La Azotea Building, 108 Session Road,Baguio City
設立年: 2004
アクティビティ:ギャラリー、レストラン、パフォーマンス、フィルムスクリーニング、ライブ等
広い店内で展示やパフォーマンスが行われる -
Ili-likha Artist Village
Assumption Road,2006 Baguio City
設立年: 2008
アクティビティ:ギャラリー、レストラン、カフェ、ライブ等
バギオのアーティストが運営するショップがたくさん入った複合施設